2008年7月23日

IEAのエネルギー戦略、質量ともに大転換迫る

国際エネルギー機関IEA)が6月に発表した「エネルギー技術展望(ETP)2008」は、二酸化炭素(CO2)の削減に大きく役立つと期待される17 技術を取り上げ、各技術の現状分析と、2050年までの技術的な到達目標やコストなどを含んだ、開発から普及までのロードマップを示している。
IEAが報告書で強調しているのは、CO2排出量を2050年までに現状レベルから半減することは技術的には可能だが、政策的な後押しが不可欠という点 だ。民間の投資を促すために、CO2に“価値”をつけたり、規制を導入するなど、長期的視野に立った政策が必要だと指摘している。具体的には、革新技術の 研究開発に継続的な投資が行われるための政策や長期にわたるインセンティブ、消費者の意識向上や消費行動の変革を促す措置などだ。
IEAの田中伸男事務局長は記者会見で、「エネルギーインフラの整備は投資額が大きい。政府の長期にわたる安定した政策が重要だ」と述べた。また、IEA はETP2008で、研究開発は先進国が中心になって進めるべきだが、これらの技術が途上国にも広く使われることが重要だと指摘しており、国際協力の必要 性を説いている。

「政府の長期にわたる安定した政策が重要」と述べていることについては、非常に同意見です。大切なのは素晴らしい技術や政策を作ることではなく、人々へと浸透させ、経済的にエコという意識について根付かせることなのですから。もちろん先進国だけがやればいいということではなく、洞爺湖サミットでも議題として注目されましたが、中国やインドなどの経済的に今盛んな国々の協力が不可欠となるでしょう。
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