私たちは地域の自治体の指示に従い、燃えるゴミ、容器包装、古紙などに分別して、所定の日にゴミを出す。この時点で、市民(区民)としての責任を果たし、ゴミはきちんと捨てられたと私たちは思う。しかし、実はゴミ問題はここから始まる。
日本では平均してゴミの8割を焼却処分している。しかし多くの焼却炉は老朽化し、建て替えの時期を迎えている。焼却炉のハイテク化に伴い建設費は高 騰し、予算が足りない自治体も多い。建設が決まっても、住民の反対運動が起きる。焼却炉は迷惑者扱いされているのだ。焼却灰の埋め立て地の問題もある。最 終処分場は、日本中どこも満杯状態だ。どの自治体も、ゴミ処理に頭を悩ませている。
そんな中、ゼロ・ウェイスト(環境の負担になるゴミやムダをゼロにする)の考え方が広まりつつある。提唱者は英国の経済学者、ロビン・マレー氏。 1996年にオーストラリアの首都キャンベラがゼロ・ウェイスト宣言し、世界を驚かせた。ほかには米国のサンフランシスコ、バークレー、ニュージーランド やカナダなどでゼロ・ウェイストが広まっている。
実は本当は、ゴミはどうなっているのかを私たちは知らないというのが事実です。実際にゴミが焼却され、処分されているときを見る機会がないからです。もちろん焼却できないゴミは溜まる一方です。
しかしこのゼロ・ウェイストの観念によって、物を消費するという考え方そのものが良い方向に変化すれば、環境に優しい社会を作ることができるでしょう。エコライフという言葉がありますが、本当はこのような状態にあることをエコライフと呼ぶのではないでしょうか?