2008年11月30日
CO2ゼロ「セグウェイ」導入へ。コンベンション施設にて。
今年5月開催の「TICAD IV(第4回アフリカ開発会議)」、2009年6月に迎える開港150周年など、重要なイベントや政府間会議が増加している横浜市の現状を鑑みて、セキュ リティーを向上させることが主な狙い。展示ホール・コンコースでの警備をメインに導入する。横浜市の指定管理者として管理運営をしている隣接の「臨港パー ク」では、1月末までの実証実験後に正式採用となる予定だ。
セグウェイは、アメリカで開発された電動立ち乗り二輪車。家庭用電源からの8時間ほどの充電で約40kmの走行が可能。最高時速は約20km/hだ。簡単 な操作で走行でき、排気ガスも発生しないため、世界中の警察・警備会社・企業などで市街地や公共施設の警備を目的に導入が進んでいる。またレジャーやイベ ントにも有効で、ゴルフ場での移動や森林散策、最近では北海道洞爺湖サミットや北京オリンピックでの警備にも使用された。
今回、臨港パークでの実証実験で用いられるのは、車体の左右・前面に設置されたバッグに、パトロールライト・AED(自動体外式除細動器)・救急箱・消火 器を搭載した特別仕様車。公園施設での事件・事故に速やかに対応できるよう、警備に加え救急面での仕様が強化されている。
環境モデル都市でもある横浜市は現在「CO2の大幅な削減と脱温暖化な暮らしが魅力となるまちづくり」を掲げており、今月5日には、CO2排出量の少ない 次世代交通システム構築に関して日産自動車と協定を結ぶなど、環境対策を加速させている。こうしたなかでの今回の導入は、「環境とセキュリティーを考慮し た最善の選択」と担当者は語る。また、太陽光発電やグリーン電力の購入などより環境負荷の少ない運用も視野に入れていくという。
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水管理技術と技術者の知恵
石油エネルギーの99%以上を他国からの輸入に頼る日本。しかも、輸入先は中東の国々に集中している。
その中東の国々では、日本の技術で海水淡水化を行っている。安全保障にしてもビジネスにしても、互恵の関係を考えるなら、中東で求められる のは水とその供給システムのノウハウだろうし、日本が求めるのは安定的な化石エネルギー資源の供給となろう。互いに足らざるを補い合う関係を築くことは、 中東諸国に限らず資源を持つ途上国にとってもメリットがあると思う。
だが、わが国にはこれまで、水に関する技術と、維持・管理を中心にしたビジネスを結び付けて戦略を考える組織もプロジェクトもなかった。戦略なし に、戦術よりももっと以前の局地戦を、技術と知恵だけを頼りに、バラバラにやってきたのだ。海水淡水化プラントの仕事にしても、パーツを提供したりプラン トを作ったりするだけにとどまり、メンテナンス等その先を視野に入れていなかった。
水に関連する専門家たちが、日本の一番の強みとして強調するのが“技術者魂”だ。例えば、時間や工程をきちんと守るとか、仕事に対して誠実であるな ど、“技術者魂”とでも呼ぶべきものが他国の人々にとっては最も衝撃的なのだということをよく聞く。そうした他国の人たちに評価される仕事ぶりを、ODA (政府開発援助)で水道施設をつくるところにとどめていてはいけない。メンテナンスやサービスを行うビジネス分野までうまくつなげることは相手の国にとっ てもマイナスではないはず。プラントを引き渡したら、それでおしまいではなく、そこから先をビジネスとして利益を生むように考える戦略性が、今の日本には 問われている。
例えば、日本には“治水”という知恵がある。洪水や高潮などの水害を防ぐ方法に加え、井戸掘りなどによる水の確保や、安全な水の供給とその維持・管 理、更には「水に関する文化」に至るまで、水をコントロールするさまざまな知恵だ。そこに、原子力発電や鉄道システムという日本の得意技術を加え、産官学 の総力であたれば、各国のインフラ整備に積極的に参入できるのではないだろうか。
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